東洋医学の外邪とは?温度・気圧・湿度の変化も病気の原因になる!
こんにちは、鍼灸師のトミナガです!
東洋医学では、”外からの悪影響”と”内からの悪影響”に発症の原因があると考え、
”外からの影響”は「外邪」、”内からの影響”は「内邪」と呼んでいます。
「外邪」と聞くと、ウイルスや細菌のことを思い浮かべる人も多いと思いますが・・・
ウイルスや細菌だけではなく、自然現象の変化も「外邪」の一つとして大きく関わっています(^^)
自然現象の変化とは「風・寒・暑・火・湿・燥」などの温度・気圧・湿度のことですね!
これをまとめて「六淫(ろくいん)」といいます。
(ちなみに、ウイルスや細菌は「疫れい」といいます)
といっても、ちょっとやそっとの自然現象の変化ですぐに発症するというわけではないんですよね。
あまりにも暑さや寒さが激しかったり、身体の抵抗力(正気)が弱かったりする場合に、自然現象の外邪に身体が侵されてしまいます(/_;)
では、どの部分(五臓)がどの自然現象に影響を受けやすいのか?というと・・・
風邪→「肝」
寒邪→「肺」「腎」
暑(火)邪→「心」
湿邪→「脾」
燥邪→「肺」「腎」
上記のとおりですね!
しかしこれは、いわゆる弱点みたいなものなだけで、全ての自然現象は全ての臓に影響を与える可能性はあります。
(草ポケモンの攻撃は水ポケモンに対して2倍のダメージではあるけど、雷ポケモンには通常のダメージなように、ダメージを受けないわけではない感じです笑)
風邪(ふうじゃ)
風邪はカゼではなく、「ふうじゃ」と読みます!
風邪は先陣を切って、他の外邪と一緒に身体に入り込むことが多く、「百病の長」とも言われます。
また春の季節に多く、春一番のように突然現れ、木の葉が舞う勢いで症状をコロコロ変えていきます。
たとえば・・・
頭が痛いしカゼっぽいな?と思ったら、悪寒がし始め、急に発熱し、喉が痛くなって、咳がでる。
こんな感じで、症状がコロコロ変わったことは誰しも経験があるかと思います。
これが風邪に侵されたときの特徴になります(^^)
基本的には、風に吹かれて乾くように、津液が乾燥して熱(虚熱)が発生します。
現代では、冷房や暖房の風によって発症することが多いですね!
風邪に侵されると、身体の表面・上部に影響を及ぼしやすく、
頭痛・鼻づまり・痒み・痛み・まぶたの腫れ・顔のむくみなどが起こります。
寒邪
寒邪は、外邪の中でも毒性が強いといわれています。
昔から「身体を冷やしたらダメ」と言われているのも、ここから来ているのもありそうですね(^^)
季節で言うと冬に多くなりますが、昔よりも身体を温める術が増えたので、むしろ夏の方が冷房や雨、汗などで寒邪に侵されることがあります。
寒邪に侵されると、悪寒、寒がり、四肢の冷えが起こります。
さらに寒邪の影響を受けると、身体を温めることや、「気血」を流すことの作用が低下するので、身体に疼痛が生じます。
この疼痛は、温めることで緩和することが多いですね(^^)
また、身体の筋肉や毛穴などが収縮するので無汗、頭痛、こわばりなどが起こります。
クーラーなどで冷えて肩が凝った経験がある方もおられると思いますが、まさに寒邪が入り込んだんですね。
暑(火)邪
夏に暑さによるものが、暑邪。
暑邪が身体に入り込むと、身体が高熱となり、「津液」が大量に汗として外に漏れ、激しく口の中やのどが渇き、血の流れが速くなります。
汗とともに「気」まで外に漏れだしてしまうため、息切れ・倦怠感なども起こし、さらに激しくなると、意識障害や痙攣が起こります。
お気づきかもしれませんが、いわゆる熱中症ですね。
また、暑邪が「脾」に影響を及ぼすと、食欲不振・胸やけ・吐き気・泥っぽい便・尿が減るなどの症状が起こります。
これは夏バテといわれるものです。
暑邪がそれぞれ五臓に入り込むと、以下のような「臭い」を放つと言われています。
「肝」に入り込むと、あぶら臭い。
「心」に入り込むと、焦げ臭い。
「脾」に入り込むと、香ばしい。
「肺」に入り込むと、なま臭い。
「腎」に入り込むと、腐れ臭い。
自分の臭いはわからないことが多いですし、他人に言うのも言われるのも嫌かもですが(笑)
湿邪
湿邪は、梅雨の季節や湿気の多い環境での生活で多く見られます。
湿邪は「重い・ねっとり」という性質があるので、
身体に入り込むと、頭や身体が重い・だるい・関節が痛い・むくみなどの症状が起こります。
また湿邪の性質によって、排泄物や分泌物もねっとりしやすくなるので、
目やにが多くなったり、ベタベタした粘液がついた便、尿が濁ったり、女性ではおりものが多くなったりします。
湿邪が入り込んで発症した場合は、治りが遅かったり、繰り返し再発することが多いです(/_;)
特に「脾」が影響を受けやすく、胸やけ・胃のつかえ・すっきり排便がしにくいなどの症状が起こります。
燥邪
燥邪とは乾燥によるもので、季節では秋が多いです。
「津液」を乾燥させて身体に影響を及ぼすことから、風邪と性質が似ています。
「津液」と関わりが深い「肺」と「腎」は燥邪を苦手としますが、皮膚や鼻とつながる「肺」のほうが影響を受けやすいです。
身体に燥邪が入り込むと、皮膚の乾燥・咳・喘息・痰を出せない・血が混じった痰などの症状が起こります。
温まると咳が出る、というのも「肺」が乾燥して起こるものですね。
また、湿気が多いときに楽になる喘息も燥邪によるもの、逆に湿気が多いときに咳が出るものは湿邪によるものです。
以上が、外邪についてでした!
基本的に、五臓の働きがしっかりとしていれば、こういった外邪に侵されることは少ないです。
身体が疲れていたり、夜更かしなどして五臓を休めれていないことが多いと外邪に負けてしまうので、
休息・休養はしっかり取ったほうがいいですね!
何か参考になりましたら幸いです<(_ _)>
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