東洋医学の歴史!胡散臭くない理由について語ります。
こんにちは、鍼灸師のトミナガです!
東洋医学って、一体いつから存在しているのでしょうか?
昔からってことは、なんとなく想像がつきますけど、あんまりはっきり知らない方も多いと思います。
それに・・・
「なんか胡散臭い、本当に治るんか?」
と、片隅にでも疑問に思われている方も少なくないと肌で感じます(泣)
理由はいろいろあると思いますが、一番は「目に見えない」が大きいのではないでしょうか。
それに比べて、西洋医学は「数値化」「画像化」できるので、納得はしやすいかと思います。
でも、裏を返せば・・・
「数値に出ていないと診断できない」
「画像では見られないから異常なし」
と、たとえ身体がしんどくても、つらくても、そういった判断を下されてしまいます。
実際に、そう言われて困っている人はたくさんいます。
(もしかしたら、アナタも言われたことがあるかもしれませんね・・・)
もちろん、西洋医学をディスっているわけではありませんよ(^^;
ただ、西洋医学にもメリットもあれば、デメリットもあります。
そのデメリットを補うことができるのが、東洋医学なんですよね(^^)!
とはいっても・・・
そもそも、東洋医学の良いところがわからん
と、思われる方もいるかもしれませんね(^^;
東洋医学は、身体の全体的なバランスを診て、総合的に判断をした上で治療をしていきます。
たとえば、肌荒れがあった場合に肌だけを診るのではなく、
患者さんの顔色、舌、声の調子、他に出ている症状を診た上で全体的なバランスを整えていくので、
肌荒れだけではなく、むくみ、胃腸の動き、咳が出やすいなどの他の症状も改善されます。
デメリットを上げるとすれば、即効性が伴わない場合がある、外科的なことは苦手であるというところです。
とはいっても、即効性に関しては「次の日に改善した!」という声は多いので、ズルズルと症状を繰り返すよりも効率的であると思います。
西洋医学と東洋医学を「機械のネジが外れたときの対処」で例えると・・・
・西洋医学
→機械のネジが外れた場所を特定して締める。
・東洋医学
→機械のネジが外れた根本的な原因をつき止め、締め直す。
ということですね。
つまり・・・
西洋医学は急性的なものが得意。
東洋医学は慢性的なものが得意。
なんですよね!
なので、西洋医学・東洋医学の両方から見て、身体を改善していくことが一番効率的なんです。
とはいっても、これまでの歴史では全く逆の動きがされてきました(汗)
めちゃくちゃ前置きが長くなってしまいましたが、東洋医学の歴史について書いていきますね!
東洋医学の歴史!1千年単位で発展していったのに・・・
そもそも東洋医学の源流は、古代の中国に発生した医学理論・技術です!
その医学書として有名なのが、2千年前から体系的にまとめられた最古の医学書でもある「黄帝内経」。
実は、「日本に東洋医学がいつ伝わったか?」というのは、はっきりとしたことは分かっていませんが・・・
5世紀以降には、東洋医学伝来の記録が残っています(^^)
なので、日本にはおよそ1500年の東洋医学の歴史があると考えられますね!
始まりは、聖徳太子によって日本で初めて日中間での公式な交流が始まった頃です。
(遣隋使とか、小野妹子とかのアレですね)
日本の東洋医学は、隋唐の影響を受けてどんどん発展していったとされています。
奈良時代の「大宝律令」には、医事制度を定めた「医疾令」というものがあるのですが、
その頃から、鍼博士・鍼師などの官僚が存在していたことが記されています。
平安後期からは、日本独自の診断や処方が加えられていき、日本流の医学が成立、江戸時代には全盛期を迎えました。
しかし、明治以降に政府が「西洋化政策」を取ったことで、西洋医学が正式な医学として採用され、東洋医学が衰退していきす・・・
さらには、太平洋戦争終結後にGHQによって、鍼灸の禁止要望が出され、鍼灸業界に激震が走りました。
なぜか、「禁止」なんですよね
そこで、京都帝国大学(現在の京都大学)の石川日出鶴丸教授を代表とする学者、鍼灸関係者から強い反発が起こったために、晴れて撤回されることに!
その後は、ニクソン大統領の訪中に伴って、鍼麻酔が大きく報道されたことで、再び鍼灸に対する注目が高まり、医学的・科学的に研究が行われるようになりました。
また、昭和以降、手軽に服用ができるエキス剤や顆粒の漢方薬がつくられるようになったことで、さらに東洋医学の普及がされ、
現在に至っては、原因がはっきりしない症状、慢性的な症状に対しての改善がみられることから、東洋医学を取り入れる人も多くなりました。
かなりざっとですが、こんな歴史をたどってきました
ポイントは、日本だけでも1500年以上の歴史があるということですね。
想像もできないほどの人数の臨床結果を基につくられていることがわかります。
そもそも、まったく効果がないものなら、とっくに廃れていますよね。
歴史的に見て、西洋医学が平均寿命を上げた?真実は・・・
でも、西洋医学が主流になったおかげで平均寿命が上がったのでは?
恐らく多くの人がそう思っているし、実際に「歴史的 平均寿命」とググると、明治以降の平均寿命が延びているように見えます。
江戸時代なんて、平均が30歳とまで書かれています(汗)
でも、歴史的に有名な葛飾北斎は享年90歳、徳川家康も享年75歳でした。
あの葛飾北斎は享年90歳だ。徳川家康だって73歳くらいまで生きたし、なんならその前の戦国時代でさえ北条幻庵は97歳、その父の北条早雲も88歳、関ヶ原の合戦で名をはせた島津義弘も85歳、毛利元就も75歳まで生きている。もっと以前の鎌倉時代、僧の法然は満78歳、その弟子親鸞も満89歳で入滅している。1000年前も今も長生きする人はしているのだ。
戦前まで日本人の平均寿命は50歳未満?「人間五十年」のカラクリ
私も初めて学校で習ったときには「平均寿命は短いのに、長い人も多いんやな~」と思っていました。
それに、最古の医学書でもある「黄帝内経」の素問においても、
上古の人は春秋みな百歳にわたりて動作衰えず、今時の人は年半百にして動作みな衰うるは、時世異なるや、人はたこれを失しなうか。
素問、上古天真論篇第一より
と、書いてあります。
訳としては、
「昔の人は百歳をこえてまだ身体の動作が衰えないが、今の人は五十歳にして動作が衰えてくるのは時代が異なるからであるか、又は生活をあやまっているからであろうか」
ということですが・・・
最古の医学書にすら「昔の人は100歳でも動作が衰えていない」と書いてあるのですから、平均寿命30歳説どこ行った?って感じです(笑)
それは、平均寿命がそうなだけで、30歳以上生きている人がほとんどだということですね。
では、平均が低くなってしまう理由は何かというと、
出産してから亡くなる赤ちゃんや母親がなくなるケースが多かったから、と言われています。
これは、たしかに西洋医学のおかげだと思います。
しかし、西洋医学だけを重んじるようになって、東洋医学を軽視するようになった結果として、
なにかしらの慢性病を持つ人が増え、年間の医療費がえらいことになっています。
つまり、治っていないので、健康寿命は短くなったやもしれません(汗)
なので、歴史的に見ても西洋医学・東洋医学、どちらも軽視してはいけないということがわかりますね。
さいごに
何度もいうようですが・・・西洋医学も東洋医学もどちらも大切です。
本当なら、手を取り合って患者さんを治していくべくだと私は思います。
しかし、こういったことを多くの鍼灸師があまり知らないことも問題ですね(汗)
実際、慰安・マッサージ的に鍼灸が行われていることのほうが多いですから。
(そういう私もそうだったんですけどね!笑)
でも、若い人でも慢性病を患うようになってきている今、そうはいってられない事態になってきています。
なるべく早く、東洋医学に基づいた鍼灸治療ができる人が増え、認知されることを望むばかりです<(_ _)>
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