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富永 旭人
鍼灸師/医薬品登録販売者
大阪府内で訪問鍼灸しています。
自然に沿った考えの東洋医学で、原因不明の症状などにアプローチしていきます。
外出もできないほどお悩みの方はぜひ一度ご相談ください!

大切にしていること:心身一元論
好きな動物:猫

東洋医学の五臓六腑の「六腑」とは何?どんな働きをする?

こんにちは、鍼灸師のトミナガです!

東洋医学では五臓は「肝・心・脾・肺・腎」のことで、

六腑とは「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」のことを言います(^^)

この五臓と六腑は表裏関係にあって、それぞれの働きを助け合いながら身体の機能を正常に動かしています!

今回は「六腑」について書いていきますので、何か参考になりましたら幸いです。

目次

六腑はどんな役割をするのか?

五臓は「気・血・津液・精」などの生体に必要な生理物質を作るのに対して、

六腑は生理物質を作り出すのに必要な材料や、五臓が作ったものを通過させる空洞の器官です。

五臓と六腑は密接に関連し合っていて、それぞれ以下のような表裏関係があるので、片方が病気となるともう片方にも異常が起きやすくなります。

肝⇔胆

心⇔小腸

脾⇔胃

肺⇔大腸

腎⇔膀胱

三焦は水分の通り道で臓器と臓器のすきまのことです。

「胆」は「肝」と表裏関係であり、六腑の中でも唯一”貯蔵する”機能を持ちます。

「胆」の生理作用は2つです!

①胆汁の貯蔵・排泄

「肝」で胆汁が作られ、いったん「胆」で貯蔵された後は、「脾」や「胃」に排泄されて消化を助けます。

この排泄は「肝」で調節されているので、「肝」が正常に働いていると胆汁が滞りなく排泄され、「脾」と「胃」の消化も十分に発揮できます(^^)

※「肝」の機能が不調となって胆汁が上がりすぎると、口が苦い・黄疸という症状が起こります。

②決断をする

「決断をする」という精神活動は、胆と深い関わりがあります。

「肝」が思索・評価・判断をして、「胆」で決断をすると言われています(^^)

※「胆」が不調になり精神活動にまで影響を及ぼすと、優柔不断・オドオドしやすくなります。

小腸

「小腸」は「心」と表裏関係であり、「小腸」が吸収した「精」で「心」の精神活動が維持されます。

また、心陽によって「小腸」が温められ正常に機能を発揮しています。

「小腸」の生理作用は以下です!

受け入れ、変化させる

「胃」から送られてくる飲食物を受け入れ、

「脾」と共同で消化・吸収を行って、飲食物を水穀の精微(栄養)と不要物とに変化させます。

また水液のうち、ねばねばした液体は「小腸」で吸収され、さらさらした液体は「大腸」で吸収されます。

栄養分は「脾」へ、不要な液体は「膀胱」へ、不要な個体は「大腸」へ送ります。

※冷たい物・生ものの食べ過ぎ、または陽虚の症状によって「小腸」を温められなくなると、下痢や腹痛が起こります。

「胃」は「脾」と表裏関係であり、

必要な成分は「脾」によって上昇、不要な成分は「胃」によって下降させています。

また、「脾」は「胃」が熱化しないように「胃」に陰液の一部を送り出し、

「胃」は「脾」が冷えないように「脾」に陽気の一部を送り出すという、互いを補完し合う関係でもあります。

「胃」の生理作用は以下です!

納めて、消化する

「胃」が一番初めに飲食物を納めて消化し、その後に消化された飲食物は「小腸」へと送ります。

※「脾」が不調になったり、食べ過ぎると、納める機能が低下して食欲不振になり、消化する機能が低下すると消化不良を起こします。また、「胃」に熱がこもると口臭・歯肉炎・口内炎が起こります。

「胃」の特性

「胃」は飲食物を納めて消化するだけでなく、消化したものを「小腸」や「大腸」へ下降させる特性もあります。

※もし「胃」が弱ると、腹部膨満感・胸やけ・嘔吐・便秘などを誘発させます。

大腸

「大腸」は「肺」と表裏関係であり、「肺」が津液を「大腸」まで送って潤すことで、「大腸」の作用を助けています。

なので、「肺」に異常があると「大腸」にも影響を及ぼし、逆に「大腸」の通りが悪くなると「肺」に影響を及ぼします。

「大腸」の生理作用は以下です!

不要物を変化させる

飲食物が「胃」や「小腸」で消化され、最終的に送られてきた不要物の水分を吸収し便へと変化させて、肛門から排出させます。

※「大腸」に異常があると、便秘・軟便・下痢などが起こります。

便秘は、気虚によって推動作用が低下、内に熱がこもって陰液が損傷、気が滞ったことなどが原因で、不要物をうまく運べないことで起こります。

軟便や下痢は、「脾」の機能が低下や、水分の摂りすぎ、外部からの影響などが原因で起こることが多いです。

膀胱

「膀胱」は「腎」と表裏関係であり、「膀胱」に貯められた尿は「腎」の働きで排出されます。

貯尿・排尿

尿を貯め、尿を体外へ排出しています。

飲食物から取り出された水液の流れは以下の図のようになります(^^)

「膀胱」は「腎」から送られた尿を保存し、尿が一定量に達すると体外は排出される仕組みですね。

※もし「腎」の機能が低下すると、排尿障害・尿が出にくい、逆に頻尿・残尿感などが起こります。

三焦

「三焦」の概念は、

・「気」と「津液」の通り道の三焦

・身体を上焦、中焦、下焦に分ける三焦

以上の2つがあります。

これは東洋医学ならではで、西洋医学にはない考え方ですね(^^)

「気」と「津液」の通り道の三焦

①「気」の通り道

「三焦」を通って、腎精から作られた「気」の根源となる「原気」が各臓腑に運ばれ、

水穀の精微(栄養)から作られた「津液」や「衛気」は「三焦」を通って、「津液」は原気の作用で汗になり、「衛気」によって体外へ排出されます。

「三焦」では、この一連の流れが行われています。

※もし外邪などによって「三焦」の流れが妨げられると、「原気」が運ばれないので各臓腑の機能が低下します。また、上記の一連の流れに影響を及ぼして、無汗・多汗などが起こります。

②「津液」の通り道

「津液」の流れや排出は、「三焦」を通り道として「肺・脾・腎・胃・小腸・大腸・膀胱」などの臓腑が共同で行っています。

※「三焦」の流れが妨げられると、「津液」が留まってしまい痰湿になり、むくみや尿量が減少などが起こります。

身体を上焦、中焦、下焦に分ける三焦

上焦・中焦・下焦に分ける三焦とは、臓腑を部位別にとらえた概念です(^^)

①上焦

舌下から胃の入り口までのこと(横隔膜から上)を上焦と呼んで、「心」と「肺」が属します。

「心」と「肺」の機能、「気・血・津液」を全身に運ぶことであらゆる組織・器官を滋養し温めることを総合的に指しています。

②中焦

胃の入り口からへそ辺りまでのことを中焦と呼んで、「脾」と「胃」が属します。

「脾」と「胃」の機能、飲食物を消化・吸収して「気・血・津液・精」を作ることを総合的に指しています。

③下焦

へそから下のことを下焦と呼んで、「肝」「腎」「小腸」「大腸」「膀胱」が属します。

飲食物を必要なものと不要なものに分けて体外へと排泄する機能を総合的に指しています。


以上、六腑についてでした!

五臓六腑は互いに連携し合っているので、症状一つにしても複数の臓腑が関係しています。

なので、鼻水は鼻、口内炎は口腔内が原因という風な単純な見方をせずに、あらゆる臓腑の調整をするのが東洋医学の魅力の一つともいえますね(^^)

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