潰瘍性大腸炎は鍼灸で改善できます!おすすめのツボも紹介します。

今回は難病指定にもされている「潰瘍性大腸炎」についてお話させていただきますね。
現在では20万人以上(2016年調べ)の潰瘍性大腸炎でお困りの方がいらっしゃいますが、まだまだ増加傾向にあるようです。
1990年では2万人だったそうなので、実に10倍も増えているということになります。
なぜそこまで増えたのか?
30年前と比べて何が変わったのか?
やはり、「食品添加物」と「慢性的なストレス」が大きく関わっていると考えられます。
なったら最後、一生苦しまないといけないかのように思われていますが・・・
実は、鍼灸治療で潰瘍性大腸炎の改善は可能!
外出が困難なほど症状があった方でも、飛行機に乗れるくらいまで改善されています。

薬で頑張っているけど、なかなか改善しない
薬の身体へのリスクは年々指摘されるようになってきていますし、不安にもなりますよね。
でも大丈夫ですよ!
まだまだできることは沢山あります(^^)
「根本的に体質からしっかり改善したい!」という方はぜひ鍼灸治療を試してみてくださいね!
潰瘍性大腸炎とは?


大腸の粘膜に炎症が生じて、
粘膜が荒れてびらんや潰瘍などの病変が形成される病気です。
重症化すると発熱や体重減少などの全身症状を引き起こし、
粘膜から出血が続くと貧血に陥ってめまいや動悸、息切れなどの症状が現れます。
中には発疹、関節や目の炎症など別の部位にも症状を引き起こすことも・・・。
潰瘍性大腸炎の炎症は3つのタイプがあります。


症状の重さや炎症の度合いによって、治療方針を決めます。
血液検査で見る項目
検査名 | 正常値(参考値) | 意義 |
CRP(C反応性蛋白) | ~0.2mg/dL | 炎症が強くなると上昇 |
赤沈(赤血球沈降速度) | 男性:2~10㎜/h 女性:3~15㎜/h | 炎症が強くなると上昇 |
白血球数 | 4,000~9,000/μL | 炎症が強くなると正常値を上回ることが考えられる |
ヘモグロビン | 男性:14~18g/dL 女性:11~15g/dL | 大腸から出血がある場合、正常値を下回って貧血と診断されることがあります。 |
潰瘍性大腸炎の症状


主な症状
・強い腹痛
・下痢、粘液便(どろっとした白い粘液)
・血便(粘血便)
大きな特徴として、寛解期と炎症期があるということ。
「あれ?治まった?」と思ったら、また炎症を起こして苦しむ。
これが繰り返されてしまう非常にやっかいな病気です。
中には、日常生活が長時間トイレに籠らないといけないくらい、生活が困難な方もいらっしゃいます。
旅行にはもちろん、友人・知人との外食も不安になって行けなくなってしまうことも多々あり、潰瘍性大腸炎の経験がある方にしかわからないような苦労もたくさんされてきていると思います。
また、どろっとした白い粘液の正体は、免疫細胞(白血球)です。
診断基準は以下です。
重症 | 中等度 | 軽症 | |
排便回数 | 6回以上 | 重症と軽症との中間 | 4回以下 |
顕血便※ | (+++) | 〃 | (+)~(-) |
発熱 | 37.5℃以上 | 〃 | (-) |
頻脈 | 90/分以上 | 〃 | (-) |
貧血 | Hb10g/dL以下 | 〃 | (-) |
赤沈 CRP | 30mm/h以下 3.0mg/dL以上 | 〃 〃 | 正常 正常 |
(厚生労働省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」久松班)より
※(-):血便は見られない
(+):排便の半数以下で便にわずかに血液が付着している
(++):ほとんどの排便時にあきらかに血液が混入している
(+++):便の大部分が血液
排便回数と顕血便の両方が当てはまり、かつ発熱と頻脈のどちらかの条件を満たし、全6項目のうち4項目以上に重症に当てはまった場合に、重症とされます。
潰瘍性大腸炎になる原因は?
はっきりとした原因はまだわかっていないのが現状ではありますが、
潰瘍性大腸炎になってしまう方の特徴や様々な研究から原因となりうるものを紹介していきます。
あの食品添加物が腸に炎症を起こす可能性が示唆されている
なぜかあまり知られていないのが、ある食品添加物です。
その食品添加物とは、カラギーナン。
まったり感や粘性を出すために増粘多糖類として広く食品に使用されています。
では、なぜこのカラギーナンが危険性を指摘されるようになったのでしょうか?
それはカラギーナンの類似性物質(デキストラン硫酸ナトリウム)をラットに飲ませることで、
潰瘍性大腸炎とそっくりな腸炎ができることが発見されたからです。
実際、カラギーナンとは赤い海藻に含まれる成分で、
それを漁師が触ると手に炎症を起こすそうです。



でも、なんで食品添加物に使用されてるの?
それは分子量が大きければ安全であるとされているからです。
そもそも粘性を高めるためには分子量が大きくないといけないので、
それで安全だと思われているんですね(^^;)



なら大丈夫なのでは?
どうやらそれは体質によるところが大きく、
ラットによる実験でも分子量がどんなに小さくても腸炎にならない個体もあるそうです。
でもそれは逆に言えば、体質によっては「分子量が大きければ絶対安全だ!」とは言えないということにもなります。
しかし、体質によるものを実験するのは難しく、決定的なことは下されないまま。
それに安価で食品を流通させることができるので、
未だにカラギーナンは市場に出回っているんですね。
といってもですよ、、、
潰瘍性大腸炎などの研究をするために、
下準備でラットにカラギーナン類似物質を飲ませて潰瘍性大腸炎モデルラットをつくるくらいなので、
十分に危険性はあると思うのですが・・・。
それに日本では分子量の小さい(リスクが高い)ものすら規制されていません。
せめて分子量小さいものは規制したほうがいいのでは?という声も多いそうですね。
(ちなみにですが、アメリカやEUではカラギーナンを規制しています。)



自分は大丈夫です!!!
と自信をもっていえる元気な人はいいですが、
すでに潰瘍性大腸炎になっている、もしくは胃腸が弱い人は控えておいたほうがいいですね。
私は商品の裏側を見て自分に合わなそうな添加物は避けています(^^;)
ストレスによる免疫機能の乱れ
ストレスは潰瘍性大腸炎にかなり悪いということがわかっています。
それは潰瘍性大腸炎の人であれば聞いたことがあると思います。
では、ストレスが発症の原因になるのか?というと、それはまだ解明されていません。
しかし、潰瘍性大腸炎の人の腸では・・・
免疫細胞が異常に増えることで炎症を起こしていることがわかっています。
この免疫細胞の異常は、ストレスによって引き起こされることもわかっています。
なので潰瘍性大腸炎は自己免疫疾患に分類されており、
ストレスによる免疫機能の乱れがカギを握ると考えられています。



なんでストレスで免疫が乱れるの?
それには自律神経が大きく関与しています。
自律神経には、交感神経と副交感神経がありますが、
長期間、交感神経が優位になったことで免疫機能が抑制されてしまいます。
免疫機能を抑制するのは、ストレスによって放出される副腎皮質ホルモン(コルチゾール)です。



あれ?免疫が抑えられるなら、免疫細胞は増えないのでは?
それがですね・・・
免疫細胞を抑えると同時に、炎症(アレルギー反応)を起こす免疫細胞(Th2によるIgE)が増えてしまうんです。
アレルギー疾患と潰瘍性大腸炎は無関係に思われるかもしれませんが、
実は併発されている人も多くいらっしゃるんです。
また、多くの潰瘍性大腸炎を診られている医師も、潰瘍性大腸炎とアレルギー疾患は非常に近いとおっしゃられています。
通常、炎症(アレルギー)を起こすコルチゾールはサーカディアンリズム(体内時計のようなもの)によって調節されていますが、
心理的なストレスがあれば、サーカディアンリズムに関係なく放出されてしまいます。
つまり、心理的なストレス下では免疫機能が乱れやすくなり、炎症を引き起こしやすい環境となってしまうわけですね。



以上から、特に心理的なストレスに注意ですね。
めちゃくちゃ余談ですが・・・
ステロイドは良くないという話はよく聞きますよね。
なぜ良くないかというと、
ステロイドの長期投与によって、本来自然とつくられるはずの副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が生成されにくくなってしますからです。
潰瘍性大腸炎の西洋医学的な処置


西洋医学的な処置としては、基本的に投薬をします。
大腸の炎症を抑える薬が中心となっています。
5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤
軽症から中等症の人に使用。
サラゾピリン、ペンタサ、アサコール、リアルダなど。
炎症を抑える効果があるステロイド
中等症から重症の人に使用。
強力な炎症抑制作用を示す薬剤。
生物学的製剤
・抗TNFα抗体製剤
→潰瘍性大腸炎の炎症に直接関与しているTNFαという物質の働きを抑える薬剤。
・α4β7インテグリン阻害剤
→リンパ球が腸管組織へ入り込むのを阻害し、潰瘍性大腸炎の炎症を抑制する薬剤
・抗IL-12/23p40抗体製剤
→炎症や免疫反応を引き起こしているIL-12とIL-23の働きを抑えることによって腸管の炎症を抑えます。
重症な方は、西洋医学での処方で症状を抑えつつ、
鍼灸治療などで根本を治療していく方法が一番良いと考えます。
潰瘍性大腸炎に対する当院の方針


当院では、「東洋医学的な観点」と「これまでの研究で明らかとなったメカニズム」を用いて治療を行います。
東洋医学的な治療


上図の通り、「大腸」と「肺」は深く関係しており、
大腸は表(陽)で肺は裏(陰)という表裏関係です。
東洋医学には「陰主陽従」という原則がありまして、
「すべてのものは陰が主体であり、病は陰の虚から始まる」と考えます。
なので、潰瘍性大腸炎はまず「肺」の機能低下を疑います。
ちなみにですが、「肺」の機能低下があるときの身体のサインとして、呼吸器系や皮膚の症状が現れます。
・動悸
・発疹
・敏感肌
・風邪を引きやすい
・咳が出やすい
・花粉症、鼻炎
・喉の違和感
・朝にどこかしら痛むことが多い
・起床時にすでに疲れている
・日頃から疲れやすい
潰瘍性大腸炎になる前から上記のような症状がある方は
特に「肺」の機能低下が当てはまります。
遺伝的な体質で元から「肺」が弱りやすいことも。(私はそうです)
また、人によっては「肺」ではなく、また別の五臓が悪さをしている場合もあります。
それが・・・


「肝」です。
「肝」は「肺」と相克関係にあり、
「肺」が「肝」を制御する役割をしています。
しかし「肝」が強くなりすぎると、
「肺」がだんだんと力を使い過ぎて弱まってきてしまいます。
「肝」は血の流れや自律神経の働きに関与しているので、
「肝」の機能に異常があると・・・
・怒りっぽくなる(イライラする)
・目が充血、かすむ
・偏頭痛
・月経痛、不順
・のぼせ、ほてり
・肩こり、腰痛(筋肉の異常)
上記のような症状があらわれます。
元からこのような症状がずっとあり、次第に潰瘍性大腸炎になるという方もいらっしゃいます。
つまり、「肝」の機能異常が原因で「肺」が機能低下を起こし、「大腸」に異変が現れる!ということですね。
先ほども潰瘍性大腸炎とストレスの関係についてお伝えしましたが、
東洋医学的にお伝えしなおすと・・・
ストレスが自律神経を司る「肝」に影響を与え、
「肝」が昂ぶり「肺」が機能低下し、「大腸」に異変が生じる、このようになります。
以上から、多くの場合は「肺」と「肝」を中心に治療させていただきます。
とはいっても、人それぞれ過ごしてきた生活は全然違うものなので、
当院ではしっかりと話を聞かせていただき、バックボーンを整理した上で治療をしていきます。
(もちろん、言いにくいことは話さなくても大丈夫ですよ)
こういった原因となっている五臓の機能を改善していくと、
潰瘍性大腸炎だけではなく、あらゆる症状が一緒に改善していきます。



そういえば、いろんな症状を抱えているな・・・
という方は特に鍼灸治療を選択してみてくださいね(^^)
もし、大阪ではなく遠方の方でしたら、場所によってはご紹介できる鍼灸院があるかもしれませんので、ご相談フォームにてご連絡ください。
潰瘍性大腸炎にオススメのツボ!


最後にオススメのツボをご紹介しますね!
潰瘍性大腸炎はとにかくお腹を冷やさないことが大切です。
なので、ツボを押すとかではなく、市販のお灸をするかホットタオルで温めるやり方が良いですよ(^^)
潰瘍性大腸炎にオススメのツボ① 中脘(ちゅうかん)


中脘(ちゅうかん)というツボは、「みぞおち」から「おへそ」のちょうど真ん中にあるツボです。
胃もたれしたときでもココにお灸をすえると良いですね。
潰瘍性大腸炎にオススメのツボ② 天枢(てんすう)


天枢(てんすう)というツボは、「おへそ」から人差し指、中指、薬指の幅の外側にあるツボです。
この2つのツボを温めるように刺激してあげてくださいね。
ちなみにお灸はせんねん灸という市販のものがあるので、それを使用すればなお良いですね(^^)
↓こんなやつです


お灸の熱さは「ソフト、マイルド、弱、強」とありますが、患者さんに一番心地よく使っていただけているのはソフトですね。
「マイルド、弱、強」は結構熱いとおっしゃる方が多いです。
なので入門はソフトからがオススメですね。
冷えすぎている方はソフトでは物足りないかもしれないので、段階的に変えていってくださいね!
【この記事を書いた人】


大阪訪問鍼灸師(旭はりきゅう)
・鍼灸師歴10年
・漢方養生指導士
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